6/14の記者会見資料より、鈴木直美医師(小児科)の「乳幼児医療など、福祉医療の窓口無料化への要望」を紹介します。
乳幼児医療など、福祉医療の窓口無料化への要望
2012 年 6 月 14 日
松本協立病院
小児科医長 鈴木直美
医療を受けることは、憲法 25 条で定められた生存権を保障するため、全ての国民に与えられた権利の一つです。お金のあるなしで、受けられる医療の内容が左右されてはいけないと思います。
?小さな子どもたちは、まだ免疫力・抵抗力も弱く、病気にかかりやすいものです。また、ちょっとした風邪だと思っていても、急激に状態が悪化することもあり、油断できません。早めの受診・早めの診断・早めの治療が必要です。
?しかし現実問題としては、窓口での支払いが難しいために受診をためらうケースや、受診はしたものの検査を断られたり、薬の処方を最小限にと頼まれたりするケースなど、後を絶ちません。実際、喘息のお子さんが発作で受診した際に、「給料日前なので、薬は少なめにお願いします。」と言われたことがあります。治療が遅れれば命に係わる病気でも、お金のことを気にしながら、不十分な治療になってしまった結果、更に重症化してしまった場合、誰が責任を取ってくれるのでしょうか。
?福祉医療では、1 か月数百円の低額の負担で診療を受けられることにはなりますが、現在は一旦窓口での支払いが必要であり、そのお金が支給されるのは 2,3 か月後になってしまいます。そのため、窓口での支払いができない家庭の場合、結局受診を控える結果になってしまいます。窓口負担がなくなれば、早期の受診・診断・治療が可能になり、結果として重症化を防ぎ、総医療費の抑制にもつながっていくものと思います。
?子どもたちの健康のために、福祉医療の窓口無料化を要望します。是非、実現をお願いします。