24,290名の声は実質上無視 窓口無料の請願は審議未了・廃案へ

すすめる会ニュース15-4号を発行しました。県議会に提出した請願について、すすめる会では委員会で意見陳述を行いましたが、委員会は審議未了の決定をしたため廃案となります。請願した24,290名の声は、賛否を問うこともなく実質上無視されました。

開会中の県議会に「すすめる会」が提出していた「子ども・障がい者等の医療費の窓口無料化を求める」議会請願が3月11日県民文化・健康福祉委員会で審議されました。
午前、委員会冒頭に「すすめる会」湯浅事務局長が、意見陳述を行いました。
意見陳述では、①子どもやひとり親の貧困率を深刻化状況にある中で、子ども・障がい者の医療費の窓ロ無料化は、当事者や家族にとって切実であることを「1,000人の声」の2事例を上げ強調しました。②子どもの医療費助成で償還払い方式をとっている10道県の中で、石川県や岩手県の現物給付化(窓ロ無料化)への動くなどこの間新しい動きが始まっている。また、北海道・埼玉県では県の制度では償還払いですが、県下の市町村のほとんどは現物給付方式を採用しており、長野県は明らかに「窓ロ無料化後進県」になっていること。③現物給付方式への決断には、国からの不当は国保補助金削減も含め一定の財政負担が伴うが、この施策は子ども・障がい者にとって「いのち」に関わる重大問題であり、「社会の宝である子どもの健やかな成長や障がい者福祉の向上を図る上で、窓ロ無料化は優先されるべき政策課題ではないか」と訴えました。
委員の一般質疑では、小松稔委員(自民)「窓ロ無料化について市町村はどう考えているのか」と質問し、清水健康福祉政策課長は「医療費の窓ロ無料化については、市町村も問題意識を持っているが、やはりペナルティーがあるため、積極的な姿勢は伺えない」と答えました。藤岡義英委員(共産)は請願の第2項について「制度のあり方の検討の場に(給付を受ける)当事者を入れることは可能では」と質問、清水課長からは「当事者はヒアリングの形式で聞いており、団体からの要望も受けてきている」回答がありました。藤岡委員は「窓ロ無料は大きなテーマ」として「議論の場に参加させてほしい」と重ねて要望しました。清水純子委員(副委員長・公明)は、「窓ロ無料化は多くの県民の声です」と言いつつ、ペナルティー問題や自動給付制度を補う医療貸付の状況の質問の後「ペナルティー見直しが最優先」とし、この問題を「母親たちにも理解してもらうことが大事」とした上で「医療費貸付制度の周知」と「最短期間での還付の努力」を要望しました。
委員会の最後に、この請願の採決が行われました。小島康晴委員長(改革)が審議未了を提案しましたが、藤岡・永井委員が異論を表明し、挙手により採決が行われました。その結果、委員長提案の審査未了に賛成6名(平野・自民、小松稔・自民、今井敦・自民、荒井・改革、佐々木・県政ながの、清水・公明)、反対2名(藤岡・共産、永井・無所属)(委員長は採決に参加せず)で賛成多数となり、「子ども・障がい者等の医療費窓口無料化を求める」請願は審査未了となりました。本議会は今期最後の議会で本案件は、廃案となり、請願した24,290名の声は、賛否を問うこともなく実質上無視されました。

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