進める会では去る3月29日県の福祉医療給付制度をいっそう充実させ、県民が安心して医療・福祉を受けられるよう阿部知事に43,635名分の署名を提出、懇談をしたが、知事は窓口無料化を実施するかどうかについて明言を避けていた。こうした経過を踏まえ、同会では6月県議会に団体請願を行うため、県下の各種団体に賛同署名依頼してきていた。その署名は記者会見当日320団体だったが、県議会各派に要請の6月21日には370団体(障害者団体30,保育団体20,医療系団体116(地区医師会1、地区歯科医師会4,老健協会,職能団体9),婦人103,市民団体45,労働団体58)となり、請願書提出期限の6月26日までに寄せられた賛同を付けての請願の運びで、もっか賛同は390団体を越している。
記者会見では、進める会の構成団体の障害者団体の代表、医療団体から保険医協会の鈴木会長、病院ケースワーカー、婦人団体から子育て中の母親らがそれそれの立場から発言した。
?記者会見で強調されたのは、▽貧困と格差が拡大、経済的事由で医療機関にかかれない状況が増大する中、子どもと障害者に何時でもお金の心配がなく安心して医療機関にかかれる保障が必要なこと、▽県内市町村の子どもの医療費の無料化施策が拡充される状況の中で県がこのままで良いのかどうか、▽子どもの医療費の窓口無料化実施の都道府県が37となり、未実施は長野県含め10道県で「窓口無料化後進県」になっていること、▽子どもの施策充実は阿部知事の選挙公約でもあり、窓口無料化事業はその重要な施策のはず、とした点だ。
そして窓口無料化が患者の重症化を防ぎ、結果、医療費を引き下げ、また我慢されてきた歯科治療も前進させるなどの成果を生み出だすことを、それを物語る前者では群馬県の事例、後者では被災県の宮城県の事例で説明、資料提示した。また子育て中の母親らは償還払いでなく現物給付を求める趣旨を事例をあげて生活者の言葉で訴えていた。
?進めれる会ほか390団体以上の賛同で提出される請願は、(1)子どもや障がい者等の福祉医療費給付制度は、現行の自動給付方式をやめ窓口無料にして下さい、(2)制度のあり方を検討する場をつくり、子どもの親や障がい者などの当事者を参加させて下さい ― の2項。(長野保険医新聞2012年6月号より)