10月25日に開かれた松本での「福祉医療制度を考える住民シンポジウム」の報告です。
福祉医療は不可欠なもの、国のペナルティーで無料化廃止は空しい思い
人生を全うするには衣食住と言われますが、私たちにとっては医療も不可欠です。22年前に失明し盲導犬とともに暮らしています。好きで障害であるわけでなく、医療機関に行っているわけでなく、医師にかからなければまともな生活ができないのに平等とは何でしょう。1995年に松本市に陳情し、1997年に窓口無料化が決定、簡単にかかっている考えはありません。例えば指にトゲが刺さっても不自由なもので抜けません。ヤケドをして受診しなかったら化膿してしまいました。笑い話のようですが最初の判断ができません。生きるためには生活を節約しても医療は欠かせません。福祉医療制度は窓口無料化が一番です。国のペナルティーがあると言われるが空しい思いをしています。
10月25日に開かれた松本での「福祉医療制度を考える住民シンポジウム」で、県と松本市の制度改定の説明を受けて、患者代表として発言した滝沢さんの訴えです。県の田近医療福祉係長は、7月から実施された改定内容は評価とお叱りがあり運営は難しいが、市町村を含めてのあり方検討委員会の提言を尊重したものであり3年をめどに見直すとしている。福祉医療制度は1996年から始まり、15年度には対象者が21万5千人、3,000億円を超えている。松本市の水上保険課長は、改定により2,100人対象者が拡大し、一定の負担能力がある方は所得制限で対象外となった。障害者の窓口無料で2,600万円のペナルティーとなっていた。これらが改定内容の説明とともに両氏から指摘された点です。
また、新日本婦人の会の南山さんからは、乳幼児医療の現実と窓口無料化実現の願いが、松本協立病院の赤坂さんからは、医療制度の改悪と受療権侵害の実態が報告されました。福祉・医療をめぐる動きを最初に報告した新津保険医協会事務局長によりすすめられました。会場からは、情報提供の不足、受益者負担への疑問、税金の使われ方、受領委任と貸付制度への要望、などが出されました。それに対して県と松本市からは、あり方検討委員会の提言にそった発言に止まるものでした。
最後に主催したシンポジウム実行委員会から、本日110人を超す参加者から出された問題点を含め意見を寄せてもらい、松本市や県へ働きかけていくとの方向性が示されました。