石川県の窓口無料の運動を学ぶ(総会記念講演)

5/16の総会では石川県社保協の寺越さんを講師に、「石川県における子ども医療費窓口無料化実現の経過・特徴について」と題した記念講演が行われました。以下その概要です。

石川県谷本正憲知事は「子どもの医療費助成制度を現物給付に改善してほしい」という県民の切実な願いを、「現物給付にすると医療費が増える」「窓口でお金を払わないので医療費助成制度のありがたさがわからなくなる」として拒否してきました。ところが 2014 年 9 月、県議会で自民党の県議の質問に「国民健康保険の国庫負担の減額措置を受け入れてでも現物給付を希望する市や町については、その市町の意向に沿って対応するということを具体的に検討していく必要がある。」という答弁を行いました。その答弁を皮切りに、子どもの医療費助成制度は、償還払いから現物給付化にする扉が開かれました。

その結果、2014 年 11 月より輪島市、2015 年 4 月能美市、7 月金沢市、10 月小松市・加賀市・白山市・宝達志水町、2016 年 1 月かほく市が子どもの医療費を窓口無料化することになりました。現物給付化をした輪島市・能美市では、子どもが病気になったら安心して受診できるようになり子育て家庭に大変喜ばれています。 

県知事の重い扉を開けた力は、何か?

県社保協、新しい県政をつくる県民の会(以下「県民の会」という。)、新日本婦人の会は、共同してこの 20 年間、石川県に「子どもの医療費助成制度で持ち合わせの心配がいらない現物給付化を」と要望してきました。しかし、石川県は「現物給付にすると医療費が増え、県の負担も増える。」「現物給付を求める声や意見は県内の市町や議会からあがってきていない」として「現物給付化を求める県民の願い」に背を向けてきました。こうした中で、石川県社保協は県保険医協会と共同して各地区医師会に協力要請し、地方議会への4請願を行い、同時に市長・町長から県知事に意見をあげるように働きかけました。その結果、市町議会からは 84 %の議会から「現物給付化することを求める意見書」が県に届けられました。さらに金沢市長・小松市長・能美市長が石川県に出向いて「子どもの医療費を窓口無料化するよう」意見をあげ、他の市長・町長も市長会・町村会を通して意見が上げるようになりました。大詰めの段階で、2002 年の健保 3 割負担阻止運動で協力関係を築いた県医師会に申し入れたところ、県議会最大与党の自民党県議団が紹介議員となり、県医師会が 2011 年 3 月県議会に提出した請願書が採択されました。その後、同年 6 月県保険医協会の請願・採択、2012 年 6 月県社保協の請願・採択など 4 回の県議会採択となりました。しかし谷本県知事は依怙地になってなかなか動きませんでした。ところが、輪島市が、県の冷たいペナルテイを受けてでも、単独事業で、子どもの医療費の現物給付化を実施しました。それを契機に事態は大きく動き、県知事答弁が変更を余儀なくされ、現物給付化に向けての重い扉は開けられたのです。

 この重要な成果の要因は、何か?

子どもの医療費助成制度の大きな改善の力は、「子どもは社会の宝」「子どものいのちや健康が家庭環境によって左右されてはいけない」という点で、行政・議会・市民団体が一致したことです。自公政権の構造改革政治によって、貧困と格差が広がり、とりわけ子どもの貧困が広がってきました。少子化・貧困化が同時進行する中で、「せめて子どもの貧困を克服する施策を進めるべきだ」という一致点が広がったのではないでしょうか。そうした子どものいのちを守る共同の願い・取り組みを背景にして、社保協・県民の会・新婦人・共産党などの粘り強い運動が励まされて、実を結ぶことになったのです。子どもの医療費助成制度の大きな改善は、各分野で広がっている一致点での共同の成果のひとつです。そしてこの共同の取り組みは未来につながる共同です。

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