厚生労働省では子ども医療費窓口無料化を実施している自治体へ国保の補助金を削減するペナルティーを条件付きで見直すための検討会を設置する方針と伝えられてきたが、2015年9月2日に子どもの医療制度の在り方等に関する検討会が初会合をもった。
資料は下記の厚生労働省のホームページに掲載されている。
少子高齢化が進む中、子育て支援や地方創生の観点から子どもの医療分野における今後の在り方等についての検討を行うことを目的とし、下記の項目を検討事項とする。
その一つとして、長野県の福祉医療の窓口無料化の足かせとなっている国保の国庫負担のペナルティについても検討されることとなっている。
<検討項目>
(1)子どもの医療に関する現状
○受診状況
○提供体制
○自己負担 など
(2)子どもの医療に関する課題・対応
○子どもの医療のかかり方
○子どもの医療提供体制
○子どもの医療の自己負担の在り方、国保の国庫負担の在り方 など
(3)その他
なお、第1回の検討会では構成員の一人である法政大学教授 小黒一正氏より発言文書が提出されているが、小黒氏は自己負担の減免が「貴重な医療資源の無駄遣いを招いている可能性がある」として、現在の計算式の妥当性の検証は必要とした上で、国保の国庫負担の調整措置については基本的に賛成の立場を表明している。
また、一律の引下げではなく、低所得者や資産のないものなどに限定することが適当だとして、「マイナンバーを活用し、自治体において、真に支援が必要な者を把握する仕組みについて検討していくことが必要ではないか」とも述べている。
こうした、医療現場や教育現場の感覚と乖離した構成員ばかりではないと思うが、コンビニ受診増加、所得制限導入といった方向へ議論がミスリードされないよう、我々としても検討会の議論を注視し、必要に応じて働きかけもしていきたい。
検討会では、構成員以外の有識者からもヒアリングを行いながら、来年の夏頃に検討会としての報告をとりまとめることとしている。