県保険医協会 受給者負担の引き上げ方針の撤回を求める

県保険医協会では平成21年度当初予算案の概要に示された福祉医療費給付事業補助金を縮小し、本年10月より受給者負担金を現行の300円から500円に引き上げることに対して、撤回を求める要請を行った。

2009年2月10日
長野県知事   村井  仁 殿
長野県衛生部長 渡辺 庸子 殿
長野県保険医協会
会長 鈴木 信光
福祉医療費給付事業に関する要望書
貴職におかれましては、日頃より県民生活向上のためにご尽力されていることに敬意を表します。
さて、2月9日にプレスリリースされた長野県の平成21年度当初予算案の概要では、福祉医療費給付事業補助金を縮小し、本年10月より受給者負担金を現行の300円から500円に引き上げるとされています。
昨年度の老人医療費給付事業の廃止に引き続き、今回の受給者の負担引き上げは福祉医療に関しては県単独事業を極力縮小しようといった県の姿勢を示すものであり、私共としては受け入れることはできません。
また、昨年12月16日発表の主な見直し事業(案)に記載されていない本事業について、県民には意見を述べる機会を与えず見直されたことに対して抗議いたします。
長野県の福祉医療費給付事業は、2003年7月から自動給付方式になりましたが、当初は概ね3年ごとに見直すことが適当とされていました。しかし、本会からの要望にもかかわらず、これまで受給者の意見を反映する検討会は開催されず、県福祉医療費給付事業検討会で議論されるだけです。県も市町村も財政状況が悪化している中で、県と県市長会、県町村会から構成される検討会では事業の廃止や利用者負担引き上げといった財政主導の見直し方針が出るだけで、患者・家族の視点はおのずから弱くなります。
私共は、障害者やその家族、子どもを抱える若い世帯が、経済的な心配をしないで安心して医療を受ける機会が保障されるよう、自動給付方式ではなく窓口無料化を求めてきました。他県では乳幼児医療では未就学児まで所得制限なしに窓口無料化を実施しているケースもあります。
つきましては、貴職が長野県の福祉医療を充実させるといった姿勢を示し、県民が安心して医療・福祉を受けられるよう、下記の事項の実現を強く求めるものです。
  1. 受給者負担金を500円に引き上げる方針は撤回すること。
  2. 福祉医療給付事業の検証委員会を立ち上げ、委員会の構成は受給者又はその家族など当事者の代表を半数以上とすること。
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