小児の救急電話相談事業#8000 全国で実施時間に大きな差

長野県保険医協会では、小児の救急電話相談事業#8000の都道府県実施状況をまとめた。

小児の救急電話相談事業(#8000)は、夜間や休日に急な子供の病気やけがで、病院の診療を受けたほうがよいのかなど迷ったときに、全国共通の#8000に電話すると、各都道府県の窓口につながり、小児科医師や看護師から症状に応じた助言を受けることができる制度。
2002年に広島県で始まり、2004年に事業費の2分の1を国が負担する国の制度となり、現在、全都道府県で実施されている。当初、プッシュホンのみだったが、携帯電話も対応になっている。アナログ回線からは、各都道府県の専用電話番号(長野県は0263-72-2000)にかける必要がある。
厚生省のホームページで掲載されている本年7月1日現在の全国の実施状況を本紙では実施時間・時間帯別に整理し直してみた。すると、小児の窓口無料化が最も進んでいる群馬県が平日14時間の実施でトップの8県に入っている。また休日は土日あわせた時間で群馬県は、48時間となる岐阜県、43時間の奈良県に続く3番目の36時間で滋賀県と並んでいる。ちなみに長野県は平日・休日とも4時間と全国的にみて下位のグループの中にある。群馬県では窓口無料化で懸念された「コンビニ受診」に関して本紙前号で紹介の通り「県内の受診状況を検証した結果、夜間・休日における小児救急電話相談、いわゆる#8000、こうした取り組み等もあり、子供の時間外受診は減少傾向にあることが確認できている」(片野福祉健康部長)との県議会本会議答弁(本年5月定例会)が出ていた。

平日の小児救急電話相談事業実施状況

(2012年7月1日現在)

時間 実施時間帯 都道府県名
14 19:00?翌朝9:00 富山県
18:00?翌朝8:00 群馬県、石川県、岐阜県、静岡県
滋賀県、奈良県、徳島県
13 19:00?翌朝8:00 青森県、福島県、広島県、香川県
愛媛県、長崎県、大分県
12 20:00?翌朝8:00 大阪府
19:00?翌朝7:00 埼玉県、福岡県
6 18:00?0:00 神奈川県、兵庫県
5 20:00?翌朝1:00 高知県
19:00?0:00 熊本県
18:30?23:30 茨城県
17:00?22:00 東京都
4 19:30?23:30 三重県
19:00?23:00 北海道、岩手県、宮城県、栃木県
福井県、山梨県、長野県、愛知県
京都府、和歌山県、鳥取県、島根県
岡山県、山口県、佐賀県、宮崎県
鹿児島県、沖縄県
3 19:30?22:30 秋田県
19:00?22:00 山形県、千葉県
0 なし 新潟県

 

休日の小児救急電話相談事業実施状況(土曜日含む)

2012年7月1日現在

(括弧内は土曜日の時間・時間帯が異なる場合)

時間 休日の実施時間帯 都道府県名
24 8:00?翌朝8:00 岐阜県
24(19) 8:00?翌朝8:00
(13:00?翌朝8:00)
奈良県
23(14) 9:00?翌朝8:00
(18:00?翌朝8:00)
群馬県、滋賀県
22(12) 9:00?翌朝7:00
(19:00?翌朝7:00)
埼玉県
21(13) 9:00?17:00, 19:00?翌朝800
(19:00?翌朝8:00)
大分県
14 9:00?23:00 島根県
19:00?翌朝9:00 富山県
18:00?翌朝8:00 石川県、静岡県、徳島県
13 19:00?翌朝8:00 青森、福島県、愛媛県、長崎県
広島県、香川県
12 20:00?翌朝8:00 大阪府
19:00?翌朝7:00 福岡県
15(6) 9:00?0:00(18:00?0:00) 兵庫県
13(5) 9:00?17:00、18:30?23:30
(18:30?23:30)
茨城県
8 9:00?17:00 東京都
6 18:00?0:00 神奈川県
4(8) 19:00?23:00(15:00?23:00) 京都府
5 20:00?翌朝1:00 高知県
19:00?0:00 熊本県
18:00?23:00 岡山県
4 19:30?23:30 三重県
19:00?23:00 北海道、岩手県、宮城県、栃木県
福井県、山梨県、長野県、愛知県
和歌山県、鳥取県、山口県、佐賀県
宮崎県、鹿児島県、沖縄県
3 19:30?22:30 秋田県
19:00?22:00 山形県、千葉県、新潟県

休日の「時間」欄の順番は、土日を合算した時間順とした。
平日、休日とも厚生労働省のホームページ「小児救急医療電話相談事業(#8000)について」で掲載の小児救急電話相談事業実施状況を元に本紙で作成。

(長野保険医新聞 2012年10月25日号より)

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