医療費の窓口負担無料化は子どもの貧困対策を考える上でも重要な視点

政府では本年1月に施行された子どもの貧困対策推進法に基づく施策の総合的推進のため「大綱」づくりが進められています。整理案では、子ども医療費窓口無料化も検討すべきと提言。注目を!

厚生労働省が発表した「国民生活基礎調査」によると平成 24 年の「相対的貧困率」(貧困線に満たない世帯員の割合)は 16.1%で平成21年前回調査の16.0%(平成21年)から更に悪化しました。「子どもの貧困率」(17 歳以下)は 16.3%ではじめて全体の貧困率を上回り深刻な状況となっています。

こうした中で本年1月に施行された子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づき、「子どもの貧困対策に関する検討会」意見の整理「大綱案に盛り込むべき事項」に対する意見募集が6月30日まで行われ、当会も会長以下意見を送付しています。

パブリックコメントに付された整理案をみると子供の貧困対策に関する施策に関する意見として「経済的支援」の「医療サービスの確保 」においては、「子供の医療サービスの負担はほとんどの自治体で負担ゼロとなっているが、償還払いではなく、窓口での負担ゼロという払い方にすることを検討することが必要。」とされています。
検討会の議事録をみると、平成26年5月1日の第2回検討会で国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんが、外部有識者として貧困問題に関するプレゼンテーションを行うとともに、その対策として児童手当の拡充、給食、生活支援、課外活動を含めた公教育の改革などとともに、医療サービスの窓口負担に言及し、「既にもう自治体さんが負担ゼロをしておりますけれども、今でも窓口負担で一旦払ってからという自治体もあります。これのやり方を変えればいいだけですので、ここも検討していただきたい」との意見表明を行っていました。

当初、政府は「子どもの貧困対策大綱」を7月中に閣議決定する予定でしたが、先の深刻な「子どもの貧困率」の発表をうけ、閣議決定は8月以降に先送りされる見込みです。大綱に子ども医療費の窓口負担無料化の検討が盛り込まれるかどうか注目されます。

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